収録曲「SPECIALZ」についての投稿
「純粋な邪悪さ、そこから生まれる愉悦」といったものを感じる
冒頭から曲の最後までほぼずっと鳴り続ける電子音が不安定さを演出し、ミドルテンポで展開される本作はアニメのオープニングテーマとしては異端だ。それでも、しっかりと体を揺らしたくなるリズムが曲を支えていたり、地鳴りのようなベースが存在感を増していったところで〈無茶苦茶にしてくれないかい?〉とサビに入ったりと、聴けば聴くほど世界観に没入していく仕掛けが散りばめられている。
歌詞にしても音にしても、その世界観の解像度の高さに、アニメやドラマのタイアップを数多く手掛けているKing Gnuの手腕が感じられる。
“一途”や“逆夢”とも全く異なるアプローチで見せてきた“SPECIALZ”。改めてKing Gnuの引き出しの多さと表現力に驚嘆させられる一曲である。
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「SPECIALZ」のその他の投稿
収録曲「SPECIALZ」についての投稿
King Gnuらしいアレンジと力強いボーカルが、聴く者を新たなロックの世界へ引き込む。スピーカーから放たれる重厚な音に心が震える。
収録曲「SPECIALZ」についての投稿
常田さん曰く、敵サイドにいるキャラクターを憑依させて作ったと、自身のインスタライブにて仰っていました。
実際歌を聞いてみると分かりますが、敵キャラの狂気や不気味さが歌詞やサウンドに見事に現れている。収録曲「SPECIALZ」についての投稿
一音目から強烈な個性を放つイントロが、King Gnuらしい実験精神を感じさせる。ギターリフの鋭さとリズム隊のタイトさが、まるで異次元の空間に放り込まれるような感覚を与える。歌詞の鋭い言葉選びと、ヴォーカルの強弱が絶妙に絡み合い、聴き手を一気にKing Gnuの世界観へと引き込む。ロックという枠に収まりきらない音楽性の幅広さと、それをまとめあげる表現力の高さが、今のJ-ROCKシーンに新しい風を吹き込んでいる。
「BONBON」のその他の投稿
収録曲「Bling-Bang-Bang-Born」についての投稿
DJ松永ならではのポップ感覚、R-指定のアニメにも寄り添ったリリック
4つ打ちならぬ5つ打ちのキック、ノリよく軋むベッドスクイーク、完全にジャージークラブを踏襲したトラックだ。
おもしろいのはカリンバ(親指ピアノ)のような音を装飾に使っているところで、そのコロコロとした音色がアフロビーツ的なエキゾティック感を演出しつつ、ジャージークラブ特有の躁的な雰囲気の中に柔らかなアクセントを加えている。楽曲ごとにさまざまなサウンドやジャンル感を意識的に採り入れつつ、ただのタイプビートではなく自分なりの色付けでアウトプットする、DJ松永ならではのカラフルなポップ感覚が息づいている仕事だ。そのジャージークラブの様式美に基づきながら、それそのものではない独自性、いい意味での異物感こそが、新鮮でおもしろい楽曲を求める世界に向けてのフックになったのではないだろうか。
さらに特筆すべきは、R-指定の卓越したラップスキルと多彩&ユーモラスなフロウ。彼のフロウの引き出しの多さは、これまでのキャリアで十分過ぎるほど実証済みだが(ご存じない方は、とりあえずCreepy Nutsの現時点での最新アルバム『アンサンブル・プレイ』を聴いてほしい)、冒頭のブロックでのフリーキーな語り口、早打ちガンマンのように次々と韻を撃ち(踏み)抜いていくヴァース部分、一度聴いただけで耳にこびりついて離れないキャッチーなフック、そのどれもが軽快で聴いていて心地良さを感じるほどだ。特にフックのロシア民謡のようなメロディーは中毒性が高く、思わず〈Bling-Bang-Bang-Born...〉と口ずさみたくなる。日本語を理解できなくても楽しい気持ちになれるフロウの快感と斬新さは、本楽曲が海外でも支持される理由の1つだと思う。
また、歌詞の内容に目を向けると、2番はR-指定自身のセルフボースティング的な内容にも見えるが、特に1番はアニメ作品にしっかりと寄り添ったものに感じる。「マッシュル-MASHLE-」は、魔法が当たり前のように存在する世界で、唯一魔法を使うことのできない主人公・マッシュが、魔法の力をも凌駕する人間離れした身体能力で周囲を圧倒してしまう、ファンタジー系コメディ作品。普通であれば魔法がなくては立ち向かえない難関や強敵も、己の身一つでねじ伏せ、解決してしまう、その痛快さとシュールさが持ち味となっている。
それを踏まえると、フックの〈生身のまま行けるとこまで To the next, To the 1番上〉というフレーズは、本作品におけるマッシュの存在と重なることがわかるはずだ(さらに同じフレーズが2番ではR-指定自身のポジションを表す言葉になっている)。収録曲「ライラック」についての投稿
大人による大人のためのラストライン。
過去の痛みとどう向き合い、付き合い、そして生きていくのか。
痛みに意味を、私たちは見出せるのか。 自己の弱さも醜さも、敗北も抱きしめ、 赦し、有限の人生を愛して生きていきたいという切実な希求。
「青春」が花言葉である「ライラック」。
しかし、それは今を生きる、大人による大人のための青春懐古だと私は捉える。 不器用で、故に私たちに共鳴し得るそのラストラインは、紛れもなく「愛」そのものだ。 現代日本音楽界、その最上級最前線のMrs.GREEN APPLEの問いかけの普遍は、常に震えるほどリアルであり懸命な唄いを持つ。彼らが待つ「君」とは果たして誰であり何であろうか。 恋人か夢か、それともミセスを愛するリスナーだろうか。収録曲「アイドル」についての投稿
“アイドル”が内包する音楽的な文脈
イントロはガールクラッシュ的なK-Pop(BLACKPINKやaespaなど)に通じる勇壮な展開だが、それに続く荘厳なオーケストレーション(0:14〜)は、ももいろクローバーZ“猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」”(2012年)や、Linked Horizon“紅蓮の弓矢”(2013年)のようなメタル寄りのアニソンを想起させる。これに連なる歌パートでは、PPPH(0:40〜)を入れるなどして日本の伝統的なアイドルソングの系譜にあることを示しつつ、サビ(中国風の音階はYMOの“RYDEEN”にも通じる)ではボカロ的な進行から中田ヤスタカが手掛ける楽曲(Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅなど)を想起させる展開に変化。
一転してダークになる中間部(1:30〜)は、Ayaseいわくサウンドメイクで参照したというゴーストメイン(GHOSTEMANE)にそのまま通じるトラップメタル的な曲調で、そこからサビを挟んで至るラップパート(2:05〜)は、作曲者のAyaseが言うとおりビートダウン~ハードコア的な味がある。つまり“アイドル”の目まぐるしい曲構成は、ハロー!プロジェクトやももクロなどが培ってきた多展開型アイドルソング(2010年代に広まった〈楽曲派〉的なもの)に連なるし、それらと並行して存在した相対性理論のようなバンドや〈電波ソング〉の系譜を匂わせるものでもある。収録曲「満ちてゆく」についての投稿
MVを拝見しました
現代のJ-POPの特徴的とも言える、ハイスピード感やことばの羅列にも似た言葉数の多さとは、全く真逆の音楽の作り。
これが、藤井風の音楽の特徴の1つであり、その独特のスピード感によって、自身の音楽の世界を確立していること。
これが、藤井風の魅力であり、強みだと感じます。
映画「四月になれば彼女は」は、過去の恋愛の感情のもつれを回顧する物語とも言えますが、過去を回顧する時間の流れが、記憶の中でゆったりとしていること。
思い出は、ゆったりと感情の中を流れていくこと。
それがそのまま音楽に反映されているような楽曲だと感じました。収録曲「I wonder」についての投稿
私が考える「I wonder」の3つの凄いポイント
1.キャッチーで覚えやすいダンス
SNS上に流れてくるこの楽曲を使用した動画の多くは、ダンス動画だろう。
"ダンスが流行った曲"なら前例が少なくないが、この曲の凄い所は再生した瞬間の「音が止まった」から始まるものとサビの「見つめてたい」から始まるものの2種類があるということである。
"メインに踊る箇所が2ヶ所ある"
これは私の知る限りでは、ほぼ前例がない。
2.音楽だからこそ成せる演出と効果
この演出が自分がこの曲で最も凄いと思う点だ。
曲を再生した瞬間から、ボタンのような大きめの音の効果音が流れることで初めて聴いたリスナーは、スキップするという思考がなくなると思う。
令和になり、よりタイパという概念が増して、音楽においても少し聴いてイマイチだと思ったらスキップするという思考が持ち込まれてきたが、「I wonder」は、それを完璧と言って良いほど防いでいる。
また、先月放送の「音楽の日」や「ミュージックステーション」でもボタンの効果音が流れた瞬間に、実際に"音が止まる"というハプニング演出を行い、それがネット上で大きな話題を呼んだ。
これらの演出は、言葉と音を最大限に生かしており、まさに"音楽にしかできないエンターテインメント"だろう。
3.ドラマとのタイアップとしての完璧な答え
この「I wonder」は、4月期のTBS系火曜ドラマ「くるり〜誰が私と恋をした?〜」の主題歌として書き下ろされた楽曲である。
基本、曲そのものが売れすぎると、主題歌となったドラマや映画が忘れられていく例が多いが、この曲のダンスは"くる恋ダンス"と呼ばれているため、何の作品の主題歌なのかが分かるようになっており、作品を盛り上げるための最高の相乗効果を生み出している。
また、一番のサビの後に「I wander I wonder」という歌詞があるのだが、これも本当に凄い。
ドラマ「くるり〜誰が私と恋をした?〜」は、本当の恋を通して、記憶を失った主人公が本当の自分を探し求めていく作品であり、まさにその主人公は自分を"wander"しているのだ。
この曲は、タイアップのアンサーとしても完璧な曲なんだと改めて感じる。
以上